はりとおキュウの話


作成日:2020年2月16日更新
大分類:歯痛 口腔 鍼灸治療
小分類:歯痛 鍼灸治療 顔面痛 非歯原性歯痛
タイトル:京田辺市たわ鍼灸院|歯痛 非歯原性歯痛 顔面痛 鍼灸治療 

◆京都府・京田辺市の“たわ鍼灸院”です。◆
(TEL:0774-65-2040)
www.tawa-shinkyuin.com/

歯痛・・・原因がないにもかかわらず痛み出す
     :非歯原性歯痛の話。


◆鍼灸の有効性

非歯原性歯痛の
ガイドラインでは、特に

・筋・筋膜性歯痛
 神経障害性歯痛に対しては
 鍼灸治療は有効な治療法で有る。

・疼痛全般に渡っても
 鍼灸は
 有効な治療法であると推定される。
 
 と記載されています。


2012年1月に
日本口腔顔面痛学会で作成された

“非歯原性歯痛”ガイドラインによりますと。


以下のように分類されています。


1)筋・筋膜性歯痛 

 顎の所に有る咬筋や
 こめかみの所に有る
 側頭筋が原因で。

 歯の痛みが
 起こることが
 多いとされていますが。
 
 胸鎖乳突筋や
 僧帽筋、緊張型頭痛も
 原因になることがあります。


 症状としては 
 自発痛であり
 持続性の鈍痛が起こります。
  

 筋肉が原因の場合。
 痛い筋肉の所を圧迫すると
 歯の痛みが再現されますし。
  
 筋肉への麻酔で痛みが消失します。
   
 ガイドラインでは  
 トリガーポイントと言っています。

 筋筋膜性疼痛症候群に
 似た状態かもしれません。

2)神経障害性歯痛
 ・発作性神経障害性歯痛
   
  頭部や顔面の感覚を感じる
  三叉神経が原因で起こる  
  神経痛が原因で起こることが多く。
 
  痛みは電撃様疼痛で。
    
  ちょっとした刺激を 
  顔面の表面に加えるだけで。

  激烈な痛みが発作的に
  数秒間生じることが有ります。


 ・持続性神経障害性歯痛

  帯状庖疹ヘルペスの初期に
  持続性の歯痛が起こることが多いです。
  

  症状としては

   歯に突然の疼痛が起こり。
   
   数日の間に激痛となり。

   痛みのために
   眠れないこともあります。  
   

   口腔粘膜や
   顔面皮膚に水泡を作ります。
   
   また水泡が治った後に
   その部位の痛みがいつまでも続く。
            
   “ヘルペス後神経痛”

   になってしまうことも有ります。
 

 その他

  抜髄後や
  抜歯後に起こる事がある神経障害性疼痛。


3)神経血管性歯痛

  片頭痛,群発頭痛などが
  原因で起こることが多く。
  

  片頭痛では
  拍動性の痛みを感じますし。
  

  群発頭痛では上顎の奥歯に。

  15分から180分くらいの間で
  激痛を感じますが突然消失します。


4)上顎洞性歯痛

  上顎洞炎(蓄膿症の一種です)が
  主な原因疾患で。
  

  歯の痛みは上顎の歯。
  
  特に

  上顎の犬歯から
  奥の歯に痛みを感じます。
  

  冷たい水を飲んだ時や咀嚼時に痛を感じ 
  かみしめにより歯に違和感を感じます。
  
  
  上顎洞炎に対する治療で症状は消失します。
  
  
  上顎洞の悪性腫瘍による 
  同様の症例も報告されています。


5)心臓性歯痛

  解離性胸部大動脈瘤や狭心症
  心筋梗塞の時に。

  歯の痛みを感じる時があります。


6)精神疾患または心理社会的要因による歯痛

  身体表現性障
  統合失調症などが原因で起こります。


7)特発性歯痛(非定型歯痛を含む)

  非定型歯痛は
  局所に明らかな原因が認められず。
  

  歯または
  歯周組織の痛みが数か月以上持続し。
  
  局所麻酔の効果はあいまいで。

  客観的な器質障害の所見や
  画像所見の異常は認めないもので。
  

  抜歯後や
  根管治療後に起こることも有ります。


8)その他の様々な疾患により生じる歯痛

 ・側頭動脈炎

  主に60歳以上の
  高齢者に発症する。


  側頭動脈の炎症を主徴とする
  原因不明の血管炎です。
  

  右側の上下顎の歯に

  自発痛や
  間欠的な電撃痛が感じられるが。
 

  冷・温水を飲んだ時の
  痛みや咬み合わせの時には。

  痛みは起こらないと報告されています。
 

  橋の付近に出来た
  脳腫瘍や脳梗塞が原因で起こった。

  歯肉や頬の知覚麻庫や痛みが。
  三叉神経痛の時と似通っている時があります。

  特に知覚麻庫の症状には注意が必要です。