はりとおキュウの話


作成日:2016年1月5日
大分類:皮膚疾患 鍼灸治療
小分類:網状皮斑
タイトル:京田辺市たわ鍼灸院|温熱性紅斑 網状皮斑 

◆京都府・京田辺市の“たわ鍼灸院”です。◆
(TEL:0774-65-2040)
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特に冬の
寒い時期になると

両下肢の皮膚が
赤紫色の網目模様になることが有りますが
このような状態を
網状皮斑(リベド)と呼んでいます。


一見、網状皮斑のような
網目状の紅斑になりますが。


原因としてストーブや
赤外線の暖房器具などによる刺激を
同じ部位に長時間当たっているときに生じる
温熱性紅斑いわゆる “火だこ”とは区別されています。


温熱性紅斑は慢性化すると
皮膚癌になることも報告されていますので
温熱治療や皮膚を直接温めるような
器具の使用を中止する必要があります。

 
網状皮斑(リベド)は
何らかの原因で
皮膚の末梢循環障害が起こることで。


網の目模様や
樹枝状の紫紅色斑が
皮膚にみられる状態を言っています。


皮膚と皮下脂肪との境界部での
動静脈間の血液循環が滞ってしまうために
血管が表面の皮膚から網の目状に見えます。


網状皮斑は

■大理石様皮膚

■細網状皮

■分枝状皮斑に

分類され。


網状構造が保たれているか。


それとも赤紫色部が途中で切れて
枝分かれした状態であるかで
区別されています。


大理石様皮膚
 
 気温の低い時期に小児に多いですが
 成人女性にも見られます。
 
 寒冷によって末梢循環が減少して
 酸素含有量の少ない血液がうっ滞することで 
 網状構造が保たれた状態になります。

 皮下の小血管のうっ血によって
 起こっているので。
 
 その部を指で圧迫すると
 消失しますので。
 
 色素沈着が起こることは
 無いとされています。
 

 外気温の上昇によって
 自然に軽快することが多いですが。
 

 このような状態になる人は。
 
 元来軽度の刺激や打撲などで
 内出血を起こしやすいと言われています。


細網状皮膚
 
 大理石様皮膚と
 樹枝状皮斑の中間と考えられるもので。
 

 急性膵炎や
 中枢神経系障害などが原因となります。
 

 網状構造は完全に閉鎖されていますが
 大理石様皮膚よりはリベドが持続的で。

 気候の変化とは無関係に起こります。


樹枝状または分枝状皮斑

 網状構造が完全ではなく。

 所々で途切れて
 樹枝状の構造をしているものです。
 
 
 温暖になっても
 皮斑は消えることはなく持続性で。
 
 うっ血や寒さによって悪化します。
 
 毛細血管や小静脈などの
 拡張・うっ滞だけでなく。

 何らかの原因疾患によって
 小動脈に炎症が生じたものです

 ・高血圧、冠動脈不全、心内膜炎

  動脈硬化などの循環障害。

 ・皮膚筋炎、慢性腎不全

  中枢神経系障害、結節性多発性動脈炎。


細網状皮膚や樹枝状または
分枝状皮斑の場合では。

症状が悪化すると
血管の器質的変化も起こり。


皮膚の炎症や潰瘍になることもあります。


治療法としては

 大理石様や細網状皮膚に対しては。

 うっ血を防ぐことが重要で。
 
 
 保温やマッサージ
 弾性包帯の使用などが行われます。
 

 樹枝状または分枝状皮斑の時には
 基礎疾患を治すことが基本となります。