はりとおキュウの話
作成日:2021年1月25日更新
大分類:腹部の鍼灸治療
小分類:機能性消化管障害 便秘 下利 過敏性腸症候群
タイトル:京田辺市たわ鍼灸院|胃 十二指腸障害 便秘 下利 過敏性腸症候群
◆京都府・京田辺市の“たわ鍼灸院”です。◆
(TEL:0774-65-2040)
www.tawa-shinkyuin.com/
NO76.の鍼灸:治療、下痢【過敏性腸症候群、IBS】も合わせてお読み下さい。
鍼灸:消化器・・・機能性消化管障害の話です。
1987年に
アメリカ消化器病学会で。
消化器疾患の新しい概念として。
Non-Ulcer Dyspepsiaが提唱され。
(非潰瘍性消化不良、以下、NUD)
消化不良(dyspepsia)は。
■上腹部痛
■胸やけ
■悪心
■嘔吐
あるいは上部消化管に関連して
起こっているものと考えられていました。
また、非潰瘍性消化不良で見られる
諸々の症状は。
●4週間以上持続し。
●日常生活には関連なく。
●原因となる消化管の局所病変や
全身疾患が見いだされないもの。
とされ
ローマで開催された。
国際消化器病学会で組織された
Rome 委員会で。
「器質的病変を伴わず消化器症状を起こす」
・病態の診断基準と。
・治療法を確立するために。
上記の病態を
Functional Gastrointestinal Disordersと定義して。
(機能性消化管障害、FGID)
1994 年に
その分類と診断基準を
RomeⅠとして提唱しました。
最新のRomeⅢにおいては
●器質的病変を伴わず。
●消化器症状が
6ヵ月以上前からの発症で。
●最近の3ヵ月間に
一定頻度以上の
症状発現があるもの。
とされています。
RomeⅢでの分類です。
A.機能性食道障害
A1.機能性胸やけ
A2.食道由来と考えられる
機能性胸痛。
A3.機能性嚥下障害
A4.ヒステリー球(嚥下困難)
B.機能性胃・十二指腸障害
B1.機能性ディスペプシア。
B1a.食後上腹部愁訴症候群
B1b.心窩部痛症候群
B2.げっぷ障害
B2a.空気嚥下症
B2b.極度のげっぷ
B3.吐き気・嘔吐障害
B3a.慢性の突発的な吐き気
B3b.機能性嘔吐
B3c.周期性嘔吐症候群
B4.成人の反芻症候群
C.機能性腸疾患
C1.過敏性腸症候群
C2.機能性腹部膨満
C3.機能性便秘
C4.機能性下痢
C5.特定不能の機能性腸疾患
D.機能性腹痛症候群
E.機能性胆嚢・Oddi括約筋障害
E1.機能性胆嚢障害
E2.機能性胆汁Oddi括約筋障害
E3.機能性膵臓Oddi括約筋障害
F.機能性肛門・直腸障害
F1.機能性便失禁
F2.機能性肛門・直腸痛
F3.機能性排便障害
G.小児機能性消化管障害:新生児/幼児
H.小児機能性消化管障害:小児/青年
機能性消化管障害が
起こる原因としては。
脳腸相関 brain-gut interactionsの異常が
病態の中心をなしていると言われています。
脳腸相関とは簡単にいえば。
脳からの刺激を
腸が受け取って
正常に機能することかと思います。
また、その逆に腸からの刺激を
脳が受け取って。
正常に機能させる場合もあるかと思います。
例えば
空腹になると
腸管が蠕動運動をしますね。
これは十二指腸から。
モチリンと言うホルモンが
分泌されて。
胃から下部小腸へと伝わる
蠕動運動を引き起こします。
このように
多くのホルモンを産生する細胞と
神経細胞を持っている消化器官は。
脳との密接な情報連絡を行っており。
そこには脳腸相関とよばれる
調節制御系が存在しています。
しかしながら
人間に悪影響を及ぼす
ストレスが長く続くとによって。
脳腸相関の調節制御系に
狂いが生じていまいます。
私達人間は
ストレスに対して適応するための
さまざまな生体反応を起こしていますが。
この状態が長期化すると、生体に種々の
悪影響が起こると考えられており。
このことが
機能性消化管障害を
引き起こす原因とされています。